飲みかけの 冷めたコーヒーと 幸せ



コーヒーが好きだ。
酸味が少なくて、コクが深い、濃いめのコーヒー。

ゆっくり座ってコーヒーを飲む。

ただそれだけの事が
なかなか出来ない毎日。

家事と
仕事と 
子ども達の相手

その合間に
ちょっとの時間を見つけて
「おいしいコーヒーが飲みたいな」
と思う。

キッチンでお湯を沸かそうとしたら
お昼ご飯のお皿を洗っていなかった事に気付き

お皿を洗い終えたら
シンクを磨きはじめてしまい

キッチンがピカピカになったと思ったら
末っ子が泣き出す。

末っ子を抱いたまま
ハンドドリップはあきらめて
コーヒーメーカーでコーヒーを淹れようとすると

「ぼちゅがやりたーい!」
自分の踏み台を抱えて次男登場。

コーヒーの粉をこぼし
お水をこぼす。

それでもなんとかコーヒーメーカーをセットして
「おいしくなーれ」
と一緒にスイッチを押してから
後片付けを始める。

さっき磨いたばかりの作業台を拭いていると
「ぼちゅのオヤツはなに?」
と次男。

子どもの手が届かない場所にある
おやつの箱を出して、とせがむ。

末っ子を抱いたまま、
キッチンの棚の上から箱を降ろすと

「あちゃちゃのオヤツはこれー。
   ぼちゅはこれー。
   にーにはがっこーだけど、これにするかな?
   ママはどれがいい?」
「おさらをださないと。
   ぼちゅはぎゅーにゅーのみたい。」

アレコレお菓子を出してきて
引き出しを開けてお皿とコップを出し始める。

手伝ったり
片付けたり

そんなことをしている間に
コーヒーの事なんて
すっかり忘れてしまう。

おやつの用意をして
子ども達を座らせて
思い出して自分のコーヒーを入れる。

やっと座って一口飲んだら
「ぎゅーにゅーおかわりー!」

まだうまくボーロを掴めない末っ子が
ポロポロと落とすボーロを拾い集め

「オヤツおかわりー!」
と笑顔で叫ぶ次男をたしなめ

気づいたときには
飲みかけのコーヒーは
すっかり冷めて置き去りにされている。


子ども達の手を綺麗にして
冷たくなったコーヒーを
一口飲んだら

キッチンでまた
洗いものを始める。


「ママー」
と呼ぶ声に
「ちょっと待っててー」
と答えながら。

そうこうしていると
バタン、と玄関のドアが開いて
「ただいまー!」
と長男が帰ってくる。


「おかえりー!学校どうだった?」
ダイニングに顔を出した長男に声をかけ、
カップに残った冷たいコーヒーを
シンクに流しながら
いつもと同じ
「楽しかった!」
の一言を聞く。



そして、ふと。
ものすごい
「幸せの空気」
に包まれる。


1人でゆっくり
熱くて濃いめのコーヒーを飲むのが
大好きだった私。

読書をしながら
落書きをしながら
デザインをしながら
空想をしながら
ゆっくり ゆったり
1人の時間を過ごすことが
大好きだった私。


今は
自分のための時間よりも
ずっとずっと大切なものが
こんなにたくさんあるのだと。







Jewelry choco

ジュエリー職人として、3人の子どもたちの母として、一人の女性として。 毎日を精一杯、輝いて生きていく女性のために、自分自身を叶えるために。 Jewelryは「想い」をコンセプトに、「想い」を叶えるジュエリーを ひとつひとつ、心を込めてお作りします。 オーダーメイドジュエリー ベビーリング 天然石 パワーストーン Jewelry choco

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